Naoko Terai

Jazz Waltz Tour 2004at Shinjyuku KoseiNeikin, Mar.122004

ゴールドディスク大賞で、アルバム「アンセム」がジャズ・アルバム・オブ・ザ・イヤー邦楽部門を受賞した。
3年前、ライブハウスで空席のあった寺井尚子も、今や全国区になり、
コンサート会場の老舗ともいえる新宿厚生年金を満員にするまでになった。
その演奏も実に見事で、大賞受賞も当然といった堂々とした納得の演奏だった。
北島直樹のピアノも実に素晴らしく、迫力ある演奏にじっとして聴いていることが出来なかった。
ライブハウスのお客と異なりコンサート会場のお客はやや大人しいが、1曲ごとの拍手にお客の気持ちが凝縮されていた。
最近は、ライブハウスの出演もめっきり減り、
以前のように寺井尚子の演奏で、店全体が盛り上がる雰囲気を味わうことができないと思うと寂しい気がする。
これからは、国内に留まらず世界をまたに掛けて活躍して欲しい。

In The Live House at Ginza

『バイオリンはオーケストラを構成する楽器の一つで、綺麗なメロディーを奏でるけれど、
音が小さく一人の演奏では存在感すら強く感じ取れないもの。』
これがクラシック音楽を余り聴かない私のバイオリンに対する印象でした。
ところが、ある人と音楽の話をしていたときに、寺井尚子というミュージシャンを知りました。
見たことも聞いたこともない「ジャズ・バイオリニスト」?。
ジャズにバイオリン?? どんな曲をどんなスタイルで演奏するのか全く想像できませんでした。
久しぶりに入った銀座のライブハウスのプログラムを見ると、そこに寺井尚子の名前が、その日の予約を入れて聴きに行きました。
最初の2曲は、やはりジャズにバイオリン?という違和感がありましたが、3曲、4曲と聴くうち、気がつくと足でリズムを取っていました。
バイオリンでこれほど迫力に満ちた演奏ができるとは想像もできず、そのレパートリーの豊富さにも驚き、
スイングジャズ、ワルツ、ブルース、タンゴ、クラシックはたまた映画音楽。クラシックで鍛え磨かれた優れた演奏技術。
アップテンポの曲をエネルギッシュに、無呼吸のまま、細い腕で引き奏でる姿には圧倒されます。
ライブ終了後、サイン入りのCDを買い求めて握手した華奢な手のひらは、
ごく普通の女性の手で、何処からあの迫力が生まれるのか不思議な感じです。
黒の衣装を好んで身に纏うのは、聴き手が感じるフィーリングを妨げない配慮でしょうか。
彼女の演奏から私がイメージする色は「紫」です。
以前から通っていたこのライブハウスで、受付開始後数時間で予約満席となるミュージシャンを他に知りません。
幾たびか通ううちに、あるお客とも顔馴染みになりました。
松居慶子と並ぶ国際的なミュージシャンとして、さらに人気を博していくでしょう。

唯一の不満は、人気があり過ぎて2年前のようにライブの予約が思うように取れないことです。
先日も、第一ステージに間に合わなかったので第二ステージ開始40分前位に行きましたが、
既に、店内には補助椅子に8人位の順番待ちの列。
まだ時間があるから待っていれば入れるだろうと、外の廊下で水割りを飲みながら時間を潰し、私を含めて6人ほどの待ち人。
処が、第二ステージまであと5分になっても中からお呼びが掛からない。帰る人が殆ど居ないのです。
演奏間際、ウェイターが気を利かしてカウンター横に補助椅子を置いてくれました。
背もたれの無い椅子で窮屈なポジションでしたが、間近で迫力ある演奏が聴けたので結果的には大満足。
でも、足を投げ出してゆったりと聴けるのがやはりベストです。
当日ふらっと立ち寄って入れるような状況は今や有り得ないのでしょうが。


松居慶子オフィシャルホームページ
寺井尚子オフィシャルホームページ
新藤夏子ホームページ
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