♪ Ballade ♪
"Wonderful
Tonight"
"Wonderful Tonight"を初めて聴いたのは何時のことだったろう。
漆黒の闇が白み始め、東の空が徐々に赤く染まり、首都高、横羽線で横浜に向かっていたとき、
カーラジオから流れた"Wonderful
Tonight"を聴いたのが最初だった。
それを思い出したのは、昨年12月30日深夜、年末を向かえて閑散とした第3京浜を横浜から東京に向かっていたとき、
CDプレーヤーから流れた"Wonderful
Tonight"を聴いた時だった。
初めてこの曲を聴いたときから、そして今も、哀歓を感じるこの曲が大好きだ。
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カナダとアメリカの国境沿いにある世界3大瀑布、「ナイアガラ・フォールズ」。
テーブル・ロックからカナダ滝の膨大な水の落下を見て、霧の乙女号に乗ってびしょ濡れになり、
昼食を摂るために入ったヒルトンホテルの33階の眺望レストランに入った時の滝の景観に驚いたとき
BGMで流れたエリック・クラプトンのWonderful
Tonight。
大好きな曲を聴きながら素晴らしい景色と食事と特産のアイスワインを味わった。
"Wonderful
World"
マルディグラで賑わうニューオルリンズのバーボンストリート。人込みの中を歩くと、
軒を連ねるジャズライブハウスから黒人ミュージシャンの演奏と唄が止め処なく流れてくる。
3月のニューオルリンズは暖かく、入口や窓は開け放たれたままなので通りを歩くだけでジャズの虜になる。
混雑した1軒の店に入る。何の飾り気もない小さなテーブルと丸椅子、西部劇の酒場のようなささくれ立った板張りの床。
タバコの煙は何故こうもジャズに似合うのだろう。
テーブルに肘を突きながら、目の前のステージ上での演奏と唄に聴き惚れていた。
名もないバンドだろうが、流石に本場のミュージシャン。ドリンクをオーダーするのも忘れてしまった。
店も特に気にしていない様子で、注文せずに聴いていてもお咎めがないのではと思うほどだった。
そのとき始まった"Wonderful
World"。
以前から好きだったこの曲は、この店で生で聴いてから益々好きになった。
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昨年末、姪の結婚式に列席した際、バージンロードを義兄と姪が歩いてきた。
そのとき、黒人男性がアカペラで"Wonderful
World"を唄い始めた。
張りのある低音と音域の広さから感じられる大らかで優しさに満ちたこの曲が大好きだ。
"Forever in
Love"
有線放送から流れるこの曲を初めて聴いたとき、ソプラノサックスの響き渡る音色に魅了された。
それまではモダンジャズでしか聴いたことのなかった楽器だったが、
Kenny G が奏でる美しいメロディーに、朝霧の立ち込める高原の爽やかで冷たい清涼感を感じた。
同じ楽器でこれだけ印象の違う演奏を聴かされたのは初めての経験だった。
"Stand by
Me"
丸の内にコットンクラブがオープンしたとき、こけら落としでベン・E・キングが出演した。
ベン・E・キングの素顔は知らなくても、誰でもが口ずさむことができるStand
by Meのメロディー。
音楽好きの知人とライブを見た翌日に、愛妻を伴って再び見に行ったという。
その帰り道、彼から携帯に連絡があり、御上さんがとても喜んでくれて孝行ができたと言ってきた。
そして、以前私が話していたオールデイズライブの店に行きたいので教えて欲しいと言われて教えてあげた。
後日、尋ねたらコットンクラブは気に入ってくれたけど、オールデイズはそれほどでもなさそうだったという。
彼は、学生の頃からプロ顔負けのハワイアンバンドを組んでいて
ワイキキにあるロイヤルハワイアンに宿泊しながら、ハワイアンのコンサートでも演奏したキャリアを持っていた。
子育てが終わって自分の趣味であったハワイアンバンドを再結成してライブに向けて頑張っていたとき、
脳腫瘍という大きな病を患い、一年後に帰らぬ人となってしまった。
赤坂のカラオケバー、銀座のピアノバー、ライブハウスと通ったのも今は思い出として残っている。
誰に対しても人間味に溢れた接し方をして、”有難う”という一言をを欠かさなかった彼が逝ってしまった。
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小学生の低学年だった頃、近くに滅多に貨車が通らない線路があった。
雑草が生い茂り赤く錆びた真っ直ぐの線路。
それが何処に通じているのかいつも気になっていた。
ある日、線路の終着駅を見たくて5人で線路の上を歩き始めた。
映画"Stand by Me"のシーンは、その頃のことをノスタルジックに思い出させる。
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入社して数年の頃、仲間7人でバンドを結成した。
それぞれが好きな曲を持ち込んでいたので、レパートリーはフォークからジャズまでと可也広かった。
誰かが"Stand by Me"という曲を持ってきた。ジョン・レノンが歌っていると言う。
皆が気に入り、レパートリーに取り入れ、ダンスパーティーでも演奏した。
" a Whiter Shade
of Pale(青い影)"
友として、この男との思い出の曲は余りに多すぎる。
夏のドライブ、冬のスキー、ダンスパーティー、ライブハウス、
笑いの泉とも言えるほど、そこにいる人たちの心を幾度と無く和ませてくれた。
そして何といっても、私に金子由香里を強く印象付けたテープの送り主が彼だった。
膀胱癌が脳に転移する三ヶ月前、数年振りに銀座のライブハウスで四人で過ごしたのが最後だった。
そのとき、心なしか肌に艶がなかったのを今でも覚えている。
でも、そのときに皆で会っておいて本当に良かった。
長い間、気を配ってくれて有難う。
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ニコール・キッドマン主演の「陽のあたる街角」(1997年)は、オーストラアのベトナム参戦を
一つのテーマとして、その時代に生きたオーストラリアの一家族を描いた映画である。
その時代のニュース映像にその頃ヒットしたアメリカンプップスを絡めて'60年代を上手く醸し出していた。
2年間の徴兵を終えて無事に帰国した息子が、意を決して再び正規兵として輸送機に乗りベトナムに向かうとき、
焦点の定まらない虚ろな表情で無言のままこれから自らをその地に置かなければならない戦争に気をとられているとき、
バックに流れる「青い影」は実に印象的で象徴的だった。
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ジミー・スミス、ウォルター・ワンダレーとオルガンを使った曲は元々好きだが、
その中でもポピュラーなバラードとして有名な"青い影”も大好きだ。
ジルバやマンボで汗をかいた後に、この曲で踊るブルースは最高の贅沢。
"Surfer
Girl"
I Get Around, Surfin'
Beach Boys のヒット曲は枚挙に暇が無いが、中でも Surfer
Girl が好きだ。
流れるようなメロディーは、海が赤く染まる夏の夕凪を感じさせてくれる。
静かな夏の浜辺にはぴったりの曲で、
この曲にも Beach Boys の特徴である綺麗なファルセットとコーラスが効いている。
ブライアン・ウィルソンがポール・マッカートニーと並ぶポップス界の大作曲家であることは、
"Surfer Girl"を含めたBeach Boysの数多くのヒット曲が証明している。
"I Love You Much
Too Much"
ラテンロックと呼ばれるサンタナのサウンドは以前から好きだが、
「サンタナ・ザ・バラード」に入っているこの曲の哀愁を帯びた雰囲気がとても好きだ。
サンタナの魅力は鳴くようなギターとパーカッションの絶妙なアンサンブルにあるが、
この曲にもその良さが遺憾なく発揮されていて、今でも良く聴いている。
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ミネアポリス・セントポール空港に程近いホリディー・インの朝のロビーにBGMが流れていた。
何気なく聴こえてきた聞き覚えのあるメロディー、
カルロス・サンタナのギターだった。
"I Can't Help
Falling Love With You"
この唄の思い出は特にないが、プレスリーのバラードの中で一番好きな曲だ。
学生時代に"can't help ...ing"
という英文法を習ったが、偶々この曲のタイトルを知ったとき、
『なるほど、こーいう使い方をするんだ。』と当時感じたことを覚えている。
プレスリーのバラードで次に好きな曲が、"Are You Lonesome
Tonight" で、
"Love Me Tender" というビッグヒットよりもこの2曲の方が好きだ。
自分では旨く歌えないので、カラオケでこの曲を旨く歌う人がいると思わず聞き入ってしまう。
♪ "Unchained
Melody" & "When
a Man Loves a Woman" ♪